お店がテレビに出るには?商品が雑誌に載るには?
もっと多くの人に知ってもらいたいと思った時、気になるのがメディアの影響力の大きさです。もしテレビや雑誌で紹介してもらえたら、たくさんの人に注目してもらえます。でも、何のコネもない企業がどうやったら、メディアに出ることができるのでしょうか。
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アプローチするのは誰?
まず掲載されたいと思ったら、情報番組や特集記事を作っているところに、アプローチする必要があります。
記事や番組をつくっているのは、テレビ局や雑誌社の「編集部」「編集局」といったところです。雑誌であれば、表紙の裏の隅の部分や見返しの部分などに、編集部の情報が出ていると思います。今回はこんな特集を企画しようと考え、情報を集め、制作している組織です。
企画だけを社内で行い、制作にあっては編集プロダクションや制作プロダクションといった、外部の会社に頼んでいる場合もあります。
取り上げてもらうためには、編集や制作を担当している人たちに、企画の段階で知ってもらうことが必要です。
役職名でいえば、雑誌やWebメディアであれば、編集者やライター、テレビであれば、プロデューサーやディレクターという人に知ってもらい、かつ、取り上げてみようと思ってもらわなくてはなりません。新聞なら、記者やデスク、キャップと言った人たちがコンテンツを作成しています。
編集・制作者に知ってもらう方法は?
もし、テレビ局に知り合いがいる、知り合いがライターをしていたとしても、その人が運よく、自分の出たいメディアの出たいコーナーを担当しているということはなかなかないでしょう。
連絡先も知らない人に知ってもらうためには、何をしたら良いのでしょうか。
(1)プレスリリース
プレスリリースというのは、「プレス=報道関係者」への「リリース=情報公開」をする書類です。
ニュースの概要をまとめたもので、プレスリリース配信サイトに投稿されたものであれば、報道関係者だけでなく一般人でも見られるようになっています。
配信サイトの大手2社
PR TIMES https://prtimes.jp/
@Press https://www.atpress.ne.jp/
自社のWebサイトにニュースリリースとして公開している企業も多いですね。
ただ知られていない小さな会社の場合、編集・制作者が企業のホームページを訪れる可能性はほぼゼロと言っていいでしょう。
プレスリリースの配信会社では、企業のニュースを集めているメディアとの繋がりがあり、興味のありそうな人に掲載したプレスリリースをメールニュースで流してくれます。そのため、連絡先を知らない編集・制作者に情報を届けることができます。
(2)メディアキャラバン
プレスリリースはどんな企業でも配信できるため、インパクトのない情報はたくさんのニュースの中に埋もれてしまう可能性もあります。そこで、アポイントをとって、編集部などに直接、情報を持ち込むというPR活動もあります。これをメディアキャラバンといいます。
日本パブリックリレーションズ協会が出している「広報・マスコミハンドブック」には主要なメディアの連絡先がまとまっています。
また、狙っているメディアのホームページを見れば、所在地や代表電話はわかりますし、ライターや記者によっては、SNSでコンタクト可能な方もいます。
連絡してみて、興味を持ってもらえれば、よりアピールできる機会になります。
(3)SNS発信
SNSで広がった話題がメディアに大きく取り上げられることは、最近では珍しくありません。投稿が大きくバズらなくても、メディアの担当者が進めている企画にあっていれば、取材してもらえる可能性もあります。
PR活動は露出を保証するものではない
これらのPR活動を行い、取材してもらえた場合、取材を受けることで費用がかかることはありません。
ただし、気をつけておかなくてはいけないのは、取材してもらったからといって必ずメディアに出られるわけではないということです。また、どのような形で出るのか、注文をつけることもできません。メディアにはメディアの方針があるからです。
でも、だからこそ、その内容に信憑性がある、とも言えます。
広告は良いことしか言わないと、誰もが分かっていることです。広告ではなく、メディアという第三者が取材して、第三者の視点で良いと言っていると思うから、視聴者や読者はその内容を信用するのです。
取材時に費用がかかるのは広告
取材が入って番組になった、記事になった。
その取材のために費用がかかることがあります。
それは広告です。
広告枠では、掲載スペースに見合った広告料を払えば必ず掲載されますし、広告の内容は広告主の意向に沿って、制作されます。
メディアにとって、広告費は重要な収入源です。莫大な製作費は講読料だけではまかなえません。テレビが無料で見られるのも途中でCMが入ってくるからですよね。
広告は、広告主が広告を制作して、メディアはそれを掲載するスペースを提供するスタイルが一般的ですが、その他にも「タイアップ」と言って、メディアがスペースを提供するだけではなく、広告コンテンツもつくってくれる広告があります。雑誌などでは「記事広告」と言われたりもします。
テレビ番組などの映像であれば、取材協力に費用や物品提供をする代わりに、後で映像はいくらでも使っても良いというのは、それは広告です。
雑誌などであれば、「抜き刷り」と言って、紹介されているページだけ、多めに印刷して分けてもらえるのは、広告です。
取材させてください、費用はいくらですという話があった場合は、それはメディアの広告営業であるということを理解しておきましょう。
PRと広告を使い分けよう
改めて、まとめると、PRと広告の違いは次のようになります。
掲載費・取材費 | 掲載の確率 | 掲載内容 | 信憑性 | |
PR | 0円 | 低い | メディアの方針に従う | 高い |
広告 | ●十万円〜 | 確実に載る | 自社(広告主)の方針に従う | 低い |
メディアの力を借りて、確実に多くの人に知ってもらいたいという時には広告がいいでしょう。この場合には、メディアへのコネも必要ありません。広告主というお客さんになる訳ですから、広告部門の担当者がやってきてくれます。
一方、メディアに載ることで信頼性を高めたいと考えているのであれば、広報が最適です。この場合には、編集部門の担当者に玉砕する可能性も踏まえつつ、アタックしていく必要があります。(こうしたPR活動をサポートしてくれるサービスもあります。詳しくは次回)
「とり上げてもらうこと」のその先、放映や発売開始後にどんな反響がほしいかまで考えて、広報活動をしていけるといいですね。