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ダサい広報誌のデザインを発注先を変えずに垢抜けさせる方法

最近では地域のPR誌や大学の広報誌でも、おしゃれなデザインで読み応えのあるものも多いですね。でも、そんななか、昭和の情緒あふれる古くさい雰囲気の広報誌もあります。

そのような、言ってしまえば、「ダサい」広報誌をどうしたらイメチェンできると思いますか?
今回はいつまでも古くさい印象の広報誌を垢抜けさせるために、広報担当者ができることをご紹介します。

なぜ垢抜けないデザインのままなのか

ここで、デザインを一新する方法をお伝えする前に、ひとつ考えてみてほしいことがあります。
今、あなたがイマイチだと思っている広報誌はなぜ、垢抜けないデザインのままなのでしょうか。

テーマが難しいせい?
古臭い体質の業界だから?
担当者や会社が古くさいから?
印刷会社がイケていない?

どれも、違います。

なぜ、ずっと垢抜けないデザインなのかというと、それは何も変えずにきたからです。
いいかえれば、毎回「前回と同じ」デザインで、「いつもの通り」になるようにつくってきたから、昔の雰囲気を引きずっているのです。世の中はどんどん変わっているのに、つくりかたを何も変えずにきたから古く見えるのです。

発注先を変えたくない理由

では、雰囲気を改ためるには、どうしたらいいでしょうか?

簡単なのは、あなたがセンスがいい、おしゃれだ、今っぽい、と思うようなデザインの広報誌を制作している会社に相談することです。

でも、ずっと変わらないことを選んできた会社にとって、長く付き合いのある発注先を変えるのは難しいことだと思います。

とりたてて問題も起きていないのに発注先に対して変えたいとは言いにくいですし、 発注先を変えることで進め方が変われば、仕事も増えます。デザインの重要性を認識していない上司には「余計なこと」と見なされてしまうかもしれません。 実務経験が浅い担当者よりも発注先の方が経験が長く、頼らざるを得なかったり、新しい発注先の探しかたや頼みかたが分からないなどの事情もあるでしょう。

発注先を変えずに広報誌のデザインを垢抜けさせるには

では、本題です。
発注先を変えたいけれど、変えられないという状況で、広報誌のデザインを垢抜けさせるためにできることをご紹介していきます。

(1)表紙デザインを変える

【この方法のメリット】
表紙は広報誌の顔。ここを変えると、「新しくなった!」という強いインパクトを読者に与えられます。

【この方法のデメリット】
中身が変わらないと、シャレではないですが、中を読んだら拍子抜けという印象を与える可能性もあります。

【表紙の変更方法】
(1)表紙を変更する目的を確認する
「ダサいと思うから」では、個人的な理由ですね。例えば、「若い人にも手にとってもらいやすくするため」「読者に改めて、注目してもらうため」などがあると思います。

(2)目指したい方向性のデザインの表紙を集める
広報誌やPR誌、フリーペーパー、雑誌などを集めて、目指したいイメージに近いものを選び出します。参考例とするためです。若い人を意識するなら、若い人向けのものを集めるとよいでしょう。

(3)目指すイメージを言葉にする
(2)で集めた表紙の共通点を探し、それを言葉にしてみてください。「全体に色味が淡い」「写真の使い方が違う」など、今のデザインと違うところを自分なりに説明できるようにします。

(4)発注先にオリエンする
ここまで整理してきた内容を発注先に伝え、表紙案を提出してもらいます。

間違っても、いきなり、現在の発注先に「表紙を変えたいので、デザイン案を3つ出してください」と言ってはいけません。これまで新しい提案をしてこなかった発注先には、今のデザインに何の問題も感じていないからです。何が問題だと思っていて、どう変えてほしいのかを詳しく説明し、理解してもらってから提案をもらいましょう。

(2)本文のレイアウトを変える

【この方法のメリット】
中をちゃんと読んでくれている人に、「新しくなった」ことを強く印象づけられます。工夫すれば「読みやすく」も「面白く」もできます。

【この方法のデメリット】
広報誌担当者がしなければならない仕事の量は確実に増えます。

【本文レイアウトの変更方法】
(1)レイアウト変更の方向性を確認する
変更の方向性としては、例えば、次のようなものが考えられます。
「見た目がとっつきにくく、中を読むのが面倒くさい感じがするので、気軽に読めるようにする」「内容が変わり映えせずマンネリ化しているので、切り口を変えてみる」など。

(2)目指したい本文レイアウトの事例を集める
表紙の変更の場合と同様、広報誌やPR誌、フリーペーパー、雑誌などを集めて、目指したいイメージに近いものを選び出します。参考例とするためです。

(3)(2)を参考にすべてのページのラフを書く
ラフというのは、絵や文章を紙面上にどう配置するかを手書きでざっくり書いたものです。「ラフ 雑誌」「ラフ 編集」などで検索する事例がでてきますので、参考にしてみてください。

(4)ラフをもとにページをデザインしてもらう
テキストや画像が揃ったものから原稿を渡し、ラフの通りにデザインしてもらいます。

ラフを書くためには、各ページの内容をしっかり理解しないといけません。その上で、もっとも伝わりやすいレイアウトを検討していきます。すべてのページについてラフを書くのは大変な作業ですが、広報誌を通じて読者に何を伝えたいのかを見直してみてください。きっと広報誌を良くしていくヒントが見つかると思います。

以下に、私が過去に集めていた広報誌の一部を参考にご紹介します。

解決は広報担当者が編集者になること

広報誌の制作業務が「外部への発注業務」となっていた場合、ここまでご紹介したような、読者にどう読んでほしいかを考えながら広報誌の中身を考えるというのは全く新しい仕事に思えるかもしれません。

このような仕事を「編集」と言います。

担当者が内容に踏み込んで編集していけば、デザインが良くなる以上に、広報誌としてのパワーが強まります。

そして、広報誌が変われば、会社の印象も変わります。

発注先を変えずにデザインを垢抜けさせるのは決して簡単ではありませんが、挑戦する価値はあります。生まれ変わった広報誌を楽しみにしています!

Profile

本多小百合
本多小百合

Honda Sayuri

1983年生まれ 東京都杉並区出身
慶應義塾大学商学部卒業 システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了
建材メーカーで6年間マーケティング・コミュニケーション担当を務め、広報誌編集、webサイト運用、リリース配信、広告出稿、新色開発や商標管理まで幅広く担当。
造園系団体での企画・広報職を経て、2014年にフリーランスのライターとして独立。ベンチャー企業やフリーランサーの取材記事作成、建築家・施主インタビューの記事作成などのほか、Webメディアの企画・編集などにも携わる。
ライター業に加えて、PR会社やブランド会社で必要とされる各種ライティング、取材先や取引先のPR広報にも仕事領域が広がり、2019年より”書ける広報支援パートナー”として「オーダーメイド広報サービス」をスタート。小さな会社や個人で働く人の、会社や商品を知ってもらうにはどうしたらいいか、どうしたら会社や商品を好きになってもらえるかといったコミュニケーション上の課題に対して、受け手・送り手双方の立場で仕事をした経験を生かして、伴走する。