専門外の人にも分かりやすく商品を説明するコツ(2)
前回は、分かりやすく説明するために必要な5つの要素をテンプレートとして、ご紹介しました。今回は分かりやすく説明するための表現や、さらに分かりやすく紹介するための工夫について、お伝えします。
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専門用語は使ってもいいか
詳しくない人へ説明する時には、専門用語をなるべく使わないようにするというのは確かに鉄則です。専門用語を多用することは避けた方がいいでしょう。
ただ、適切に言い換える言葉がなく、説明をするなかで何度も出てくる言葉であれば、無理やりに噛み砕く必要はありません。
例えば、「国民皆保険制度」 を使うとします。
最初に出てきた時に、国民全員が健康保険に加入し、誰でもどこでも大きな負担なく医療を受けられる仕組みなどと、簡単な注釈を加えておけば、後はそのまま使っても話は通じるでしょう。
業界では通じるので、一般的な言葉だと思っていることもあると思います。辞書に出てこないような言葉やパソコンやスマホでは一度で変換できないような言葉は、もしかすると専門用語かもしれません。
外来語については、こちらで定着度などを調べることもできます。
https://mmsrv.ninjal.ac.jp/gairaigo_yoron/index_gojuuon.html
小学生にも分かりやすい表現とは?
小学生にも分かりやすい表現ということもよく言われます。
ですが、具体的にはどのような表現なのでしょうか。
ただ単に、難しい言葉を平仮名にしただけでは、分かりやすい表現にはなりません。小学生に伝わりにくい言葉がどういう言葉かというと、小学生が見聞きしたことのないものや、日常で関わることの少ない社会の仕組みなどです。
例えば、「娯楽施設」といっても分からないかもしれませんが、「遊園地やゲームセンターみたいな、みんながお金を払って遊ぶところ」といえば、「娯楽施設」という言葉を知らなくても「娯楽施設」が指すものは分かるでしょう。知らないことでも、身近な具体例と結び付けて説明すると伝わりやすくなります。
また、仕組みを説明する場合は、URLをインターネット上の住所と説明するように、比喩を使うのも効果的です。
さらに伝わりやすくするには
触れる実物は用意する
「百聞は一見に如かず」と言います。言葉だけで説明しようとせず、視覚情報も提供すると理解の助けになり、話がスムーズに進むと思います。
仮に、見せられるものが普通の人が見ただけでは何だか分からない金属部品でも、実際の販売品とはデザインの異なる試作品でも構いません。その場で見せられない大きなもの、例えば、家や建機などは画像を見せるのでも良いでしょう。
見やすいグラフを提示
数字の説明をする時にはグラフを活用するのも効果的です。耳で数字だけを聞くよりも印象に残ります。売上の伸び率のような一般的なグラフは別として、論文に掲載されるような専門的なグラフについては、グラフの見方(その数字は多い方がいいのか、少ない方がいいのか)と、見てほしいポイントを必ず伝えることが大事です。
仕組みは図解化する
サービスなどの目に見えないものは、利用の流れやビジネスモデルを1枚の絵にすると、全体像が掴みやすくなります。
ビジネスモデルの図解化はこちらのnoteが参考になるかもしれません。
https://note.com/tck/m/m6efbe0f8e287
利用体験を提供する
Webサービスや何らかのシステムについては、デモンストレーションをすることで、理解を早めたり、深めたりすることができます。その場で度々、見せることが難しければ、動画に記録するという方法もあります。
何度も言う
一度、説明を聞いただけですべてが頭に入るような人は、かなりの秀才です。説明した後は、ポイントとなる部分は要約し、記憶を整理してもらうようにしましょう。
全部、分かってもらわなくてもいい
ここまで工夫して伝えても、伝えたい全てを理解してもらうことは難しいと思います。専門家のあなたと専門外の相手では圧倒的に知識量も経験量も違うからです。でも、100%理解してもらわなくてもいいのです。大事なところさえ、押さえてもらえれば。
実は、なかなか伝わらずに困っている時には、聞いている相手もストレスを抱えている可能性があります。人は理解に苦しむものには抵抗を感じやすいですし、理解できないものに対しては警戒心を抱きやすくなります。
大事なのは、専門外であっても、その人なりに商品の価値を理解してもらうこと。ビジネスパートナー なら提携しようとしてもらえれば、外部業者なら業務の上で知っておくべき商品の特徴を押さえてくれれば、十分なのです。詳しいことは追々理解していってもらうのでも間に合います。
自分にとって当たり前のことを言葉にして、いちいち説明するのは面倒かもしれません。でも、それで理解して協力してくれる人が増えるのは嬉しいことだと思いませんか?
前回のテンプレートも参考に、ぜひ専門外の人にも分かりやすい商品紹介を作ってみてください。