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小さな会社のためのオーダーメイド広報支援サービス

広報の初めの一歩をお手伝いする、小規模会社向けの広報支援サービスです。

専門外の人にも分かりやすく商品を説明するコツ(1)

あまり詳しくない人へ商品を説明する時に、なかなか商品の説明まで辿り着けず、もどかしい思いをしたことはありませんか?
例えば、Web制作や求人などの業務を委託する外部業者、商品モニターやモデルとして協力してくれる一般のユーザー、事業拡大のために連携するビジネスパートナーなど、予備知識のない人に商品を紹介する機会は少なくないと思います。
仮に、特殊な分野、専門的な領域、前例がないなどで分かってもらいにくい商品だったとしても、これら事業に関わってくれる人たちには、よく商品を理解してもらう必要があるでしょう。
今回は、毎回、商品の説明に時間を取られていると感じる人へ、分かりやすく商品を説明するためのコツを紹介します。

分かりやすい説明のためのテンプレート

分かりやすい説明は、ある程度テンプレート化することができます。
以下の5つは分かりやすい商品紹介に必須の5要素です。

(1)モノかサービスか

目の前に実物があれば、詳しくない人でも理解しやすいですが、サービスは形がないため、どうしてもイメージがしにくくなります。また、モノであったとしても「システム」や「ソフト」のような、手で触ったり、直接動くところが見えないものも、直感的に理解することは難しいかもしれません。
例えば、センサーをアプリ連携させてデータや分析結果を取得できるシステムは、センサーという「モノ」を売っているのではなく、「システム」を売っているわけですよね。独自開発した専用端末を使って決済をするシステムも、端末は販売するかもしれませんが、商品としては「システム」になります。逆に、様々なシステムと連携可能なロボットは、ロボットという「モノ」が商品です。オンラインで完結する健康診断なら、売っているのは検査キットではなく、「検査サービス」です。
利用者がどこにお金を払うのかということを意識すると、その商品は何なのかを一言で説明できると思います。

(2)誰がどういう時に使うのか

誰がどういうシチュエーションで使うものなのかをイメージできると、専門外でも格段に理解が深まります。一般的な具体例を2〜3挙げられると良いでしょう。
実際の採用例でなくても構いません。
例えば、ITを活用した業務システムを紹介する場合、金融機関で書類入力を自動化するために使うなどと聞けば、少しずつ利用イメージが湧いてきます。人が書類の束を机の上に積み上げた人が何人も働いているシーンと、商品を導入してパソコン1台と人が一人で処理しているシーンを想像すれば、耳から聞いた説明を言葉でも記憶するよりも、頭に入りやすくなります。
特に、顧客とエンドユーザーが違う場合には、この説明は重要です。
例えば、プログラミング学習用ロボットを買うのは教育機関ですが、使うのは学習する子どもたちかもしれません。この時、教育機関向けにロボットを販売しているとだけ説明すると、「子どもたち」という要素が出てこないので、話が伝わりにくくなります。商品を使うユーザーを早めに話の中に登場させることが大事です。

(3)それを使うとどういう得があるのか

そこまで分かった。で、なぜ、そんなものが必要なのか。
ここまで説明してきて、そんな疑問を持たれると、ゲンナリするかもしれません。世の中に必要だ、買う人がいるはずだと思って、事業化したのでしょうから。
でも、必要性から疑問に思うのが、詳しくない人の一般的な感覚です。従来の方法でも特に不便に感じていないため、「わざわざ?」と感じてしまいます。
ですから、ユーザーにとっての課題を説明し、それを商品が解決できるということを伝えなければならないのです。
例えば、e-ギフトサービスであれば、「相手の住所を知らなくてもプレゼントができる」というメリットがあるかもしれません。家計管理アプリなら「記録した結果を簡単に分析できる」「他の利用者のデータと比較できる」などがあるでしょう。
ここは商品を紹介する上で一番、重要なポイントです。商品のキャッチコピーを作る場合に盛り込むべきなのも、この商品を使うメリットだったりします。

(4)どこでいくらで買えるのか

売り物ですから、どこでいくらで買えるのかというのは重要な要素です。
個人でも買えるものなのか、業務用にしか販売していないのか、購入ルートは明らかにしておく必要があります。
価格については一言で説明できない場合もあるかもしれません。オープン価格の場合や、顧客ごとにカスタマイズするため、個別に見積もりが必要なケースなどもあるでしょう。ですが、詳しくない人には相場感がありません。目安として、10万円単位なのか、100万円単位なのか、1000万円単位なのかぐらいのザックリした金額感は説明できると良いでしょう。

(5)他の商品ではなく、これを選ぶ意味

専門外であれば、競合商品や類似商品も思い当たりません。また、それらとの違いや比較基準などについても知識も持ち合わせていないので、なぜ他ではなく、この商品を選ぶ価値があるのかについても説明する必要があります。
例えば、「他社のシステムでは専用の端末が必要となるが、この商品の場合は既存の端末で対応可能だ」、「類似の商品と異なり、直感的に操作できるため、現場でのトレーニングが必要ない」といったような優位性です。
他社との違いを説明しようとすると、どこにこだわっているのか、商品の細かい仕様にまで言及したくなるかもしれません。そうすると、詳しくない人には理解しなければならないことが一気に増えてしまうため、かえって分からなくなってしまいます。
あっさりし過ぎだと思うかもしれませんが、説明するのは使う人にとってのメリットだけで十分です。

テンプレートを使う上での注意点

言語化してみる

テンプレートに出てくる5つの要素に関しては、すぐに頭の中に話す内容が浮かんでくると思います。そこで浮かんだ内容はぜひ一度、文章化するか、詳しくない誰かに話してみてください。実際に言葉にしてみると、意外と、分かっていても説明しにくい部分が出てくることがあります。

順番はなるべく変えない

上記は、商品の全体像→利用事例→メリット→購入方法→特徴の順に並んでいます。購入方法と特徴は入れ替えても良いですが、それ以外はこの順番の通りに話してもらえると、伝わりやすいかと思います。頭に入ってきやすい順番になっているからです。

内容は調整する

詳しくない人がつまづくポイントは似ています。この事例を言ったら一発で伝わった、こういう言い方をしたら勘違いされたと言った反応を見て、内容は調整していくと良いでしょう。説明に使う具体例や表現もより洗練されたものになっていきます。

ここまで分かりやすく説明するために必要な5つの要素と、このテンプレートを使う上での注意点をご紹介しました。
次回は、分かりやすく説明するための表現のポイントや、さらに分かりやすくするための工夫などをご紹介します。

書いてみた内容が分かりやすいか客観的な評価がほしい、言いたいことはあるがどうしても分かりやすい表現が出てこないという方は以下LINEより、お問い合わせください。無料でご相談を受け付けます。

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Profile

本多小百合
本多小百合

Honda Sayuri

1983年生まれ 東京都杉並区出身
慶應義塾大学商学部卒業 システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了
建材メーカーで6年間マーケティング・コミュニケーション担当を務め、広報誌編集、webサイト運用、リリース配信、広告出稿、新色開発や商標管理まで幅広く担当。
造園系団体での企画・広報職を経て、2014年にフリーランスのライターとして独立。ベンチャー企業やフリーランサーの取材記事作成、建築家・施主インタビューの記事作成などのほか、Webメディアの企画・編集などにも携わる。
ライター業に加えて、PR会社やブランド会社で必要とされる各種ライティング、取材先や取引先のPR広報にも仕事領域が広がり、2019年より”書ける広報支援パートナー”として「オーダーメイド広報サービス」をスタート。小さな会社や個人で働く人の、会社や商品を知ってもらうにはどうしたらいいか、どうしたら会社や商品を好きになってもらえるかといったコミュニケーション上の課題に対して、受け手・送り手双方の立場で仕事をした経験を生かして、伴走する。