SDMって何ですか?広報と関係あるの?
SDMとは?
プロフィールにある「SDMって何?」とよく聞かれます。
なかなか一言で説明するのが難しいのですが、システムデザイン・マネジメントの略で、社会制度なども含めた、広義のシステムの設計と運用についての学問です。
……分かりづらいですよね。
もう少し具体的に言うと、医療保険の仕組みや飲み物を買うと海外へ寄付されるキャンペーンなど、世の中には“システム”がたくさんあります。そうしたシステムがどうしたらうまく機能するかを、システム思考とデザイン思考を使って、考えていきます。
今、社会には解決の難しい課題が多くあります。たとえば、子育て支援、食品ロス、空き家の増加……
ソフトウェアの開発(狭義のシステムの設計)で使われていた考えかたが、そうした複雑で一筋縄では解決案の出ない問題に対するアプローチとして応用できるのではないか、という気づきから生まれました。
詳しくは、こちら↓に学校がつくっている説明があります。
http://www.sdm.keio.ac.jp/about/concept.html
広報との関係
で、それが今の私の仕事と何の関係があるのかという話です。
結論から言うと、直接的には今の仕事と関係はありません。広報やライティングに関して、何かを学ぼうと思って進学したわけではないんです。
ただ、結果的に広報に役立っている部分はたくさんあります。
3つほど紹介しますね。
(1)「社会」を考えるメガネができた
それまで「会社」単位でしかモノを考えたことがなかったのですが、「社会」単位で考えるという訓練ができました。
世の中には異なる利害やニーズを持った人や組織がいて、それぞれが自分の目的に向かって活動しています。誰かの利害やニーズを無視してシステムを設計しても機能しません。だから、システムデザインでは、まず各ステイクホルダーの要求を理解することから始めます。誰にとって何が問題なのかを考えた上で、あるべき社会システムをデザインしていくんです。
ベンチャー企業への取材ライティングは、そのシステムデザインの実践を聞くことでした。社会起業家の考えや事業を理解するのに、大いに役立ちました。
また、広報の仕事は「社会」に向けてメッセージを届けていく仕事です。「社会」にとって「会社」がどう見えているのかを踏まえると、何を発信したらよいのかが見えてきました。
(2)ワークショップの経験を積んだ
SDMで学ぶ「デザイン思考」では、いろんな分析ツールを使って、ワークショップをこれでもかというほど繰り返します。数えてはいませんが、在学中に100回はやったんじゃないでしょうか。自分が参加者となってワークショップをするのはもちろん、ファシリテーターとして、グループワークをリードする機会も多くありました。
そのなかで、その場で最初に共有するといいルールや、煮詰まってしまった時のブレイクのコツ、発言が出にくい時の声のかけ方などが分かってきました。
ワークショップ漬けの2年間で得た知見は、現在の仕事でもブレストをする時、打ち合わせをする時など、さまざまな場面で応用しています。
「20XX年の●●を考えるワークショップ」や「働き方を考えるワークショップ」、「●●社のバリューを考えるワークショップ」などのプロジェクトに関わらせていただいた時には、ワークショップデザイン・ファシリテーションの経験をフル活用しました。
(3)論文や研究、科学的な考えかたを知った
今でも忘れません。「この大根は安い」は客観的な文章ではないと理解した時の衝撃を。「この大根は100円だ」は誰が見ても100円だから客観的だけれど、「安い」という部分に価値評価が入っているから主観的であるというのです。
その「大根〜」がきっかけで、研究論文の作法や研究の進め方、査読付き論文とは何なのかも理解できるようになりました。
研究や科学論文とは何たるかを知ったことは、医療やITなどの、いわゆる“理系”の業界や商品を理解する時に役立っています。
このサービスとの関係
宣伝ばかりしたくないが、必要としている人には知ってほしい
理系の業界、専門的な分野だけれど、一般の人にも認知を広めたい
初めてワークショップをやってみようと思うので、やり方を教えてほしい…
このような方に、SDMの考えかたを生かした広報支援プランをご提供します。
たとえば、どのような側面をPRしていくと受け入れられやすいかを一緒に考えたり、楽しいだけではなくアウトプットがプロジェクトで活用できるワークを検討したりといったことです。
学んだことをちゃんと社会に還元できたらと思っています。
ぜひ、お気軽にお声がけください。