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メディア取材を受けた後の原稿確認のポイント

メディアの取材を受けた後、「ご確認をお願いします」と原稿が送られてきました。この時、何を「ご確認」して、どう返信するのが良いのでしょうか?

チェックしておきたいポイント4つ

事実と違う点はないか

当然ですが、事実と違う点があれば修正しましょう。
きっちり伝えたつもりでも取材者が誤解したり、聴き間違ったりする可能性もあります。
まだ準備中にも関わらず、既にリリースしてあるかのように書かれていたり、単純に数字が間違っていたりなど、誤っている箇所は訂正します。

自分が言ったことと違うことが書かれていないか

相手が言ったことを100%、相手の言っている通りに理解するというのは難しいことです。捉え方の違いで「そうは言ったけれども、そこまで書くと言い過ぎだ」など、ニュアンスが伝わりきらないケースは少なくありません。
特に、取材を思い返して、話したことについて「つまり、こういうことですね」とあまり確認されなかった印象があれば、誤解されていないかどうか、しっかり目を通し、意図と違う伝わり方をしている部分は訂正します。

誤解を招く表現はないか

対面で背景や経緯をしっかり説明できた取材時とは違い、読者が知り得る情報は原稿に書かれていることが全てです。また、最後まで読み切ってもらえるとも限りません。
上記の「自分が言ったことと違うことが書かれていないか」にもつながりますが、誤解を招くような表現も訂正しましょう。
タイトルなどは、キャッチーに分かりやすくするために、誇張して書くこともあります。
例えば、「AIのようなものではあるが、AIと言い切ってしまうとちょっと違う」「医薬品ではないので、疲労回復の効果があるとまでは言えない」など、気になる部分は修正します。

オフレコ内容が記載されていないか

当日は参考までに話をしたものの、一般には公開しないでほしい情報というのもあると思います。
出てしまった情報は取り消せません。
まだ情報公開していない新サービスや、確定していない契約情報、企業や個人が特定されるような情報など、伏せておいてほしい情報が入っていないか、確かめておきましょう。

修正指示というよりは訂正希望

基本的に、ご自身が費用を支払っているタイアップ記事のようなものでない限り、取材原稿は媒体独自の編集記事になります。つまり、媒体の編集方針に沿って書かれた、媒体の持ち物です。
自社のことが書かれていても自社のものではありませんので、“間違っている”部分的に修正指示をいれて真っ赤にするというスタンスですと、トラブルになりかねません。あくまでも、正しいことを伝えてもらうための補足的なコミュニケーション、より伝わりやすくしてもらうための訂正希望と捉えましょう。

報道記事は事前に確認できない

ちなみに、広告系ならば事前に確認できることが多いですが、新聞などの報道系の記事では事前の原稿確認はできません。
もしも確認できてしまうと、「報道」にならないからです。報道機関は国民の利益のために様々なところに取材して事実を伝えることが使命なので、国や特定の企業などの言う通りに編集していては、中立が保てません。
そのため、事前の確認はできないのが当たり前なのです。
ただ、だからと言って、間違ったことが広く報道されては困りますので、もし分かってもらえたか心配なら補足情報を伝えるなど、掲載前にできることはしてみてもいいでしょう。

原稿チェックの機会を利用しよう

取材を受けてから記事になるまでの期間は様々です。すぐに記事化、公開される場合もあれば、何ヶ月も経ってから原稿が送られてくる場合もあります。
もしも、取材後に何か良い進展があれば、原稿チェックの際に伝えてみるのも良いでしょう。
関連イベントの告知など、完全に宣伝になってしまうことは断られる可能性も高いですが、読者の役に立つような情報で、原稿をあまり変えずに追加できるようであれば、盛り込んでもらえるかもしれません。

Profile

本多小百合
本多小百合

Honda Sayuri

1983年生まれ 東京都杉並区出身
慶應義塾大学商学部卒業 システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了
建材メーカーで6年間マーケティング・コミュニケーション担当を務め、広報誌編集、webサイト運用、リリース配信、広告出稿、新色開発や商標管理まで幅広く担当。
造園系団体での企画・広報職を経て、2014年にフリーランスのライターとして独立。ベンチャー企業やフリーランサーの取材記事作成、建築家・施主インタビューの記事作成などのほか、Webメディアの企画・編集などにも携わる。
ライター業に加えて、PR会社やブランド会社で必要とされる各種ライティング、取材先や取引先のPR広報にも仕事領域が広がり、2019年より”書ける広報支援パートナー”として「オーダーメイド広報サービス」をスタート。小さな会社や個人で働く人の、会社や商品を知ってもらうにはどうしたらいいか、どうしたら会社や商品を好きになってもらえるかといったコミュニケーション上の課題に対して、受け手・送り手双方の立場で仕事をした経験を生かして、伴走する。