小さな会社のためのオーダーメイド広報支援サービス - 広報の初めの一歩をお手伝いする、小規模会社向けの広報支援サービスです。 -

「片手間の広報」から「資産になる広報」へ。

小さな会社のためのオーダーメイド広報支援サービス

広報の初めの一歩をお手伝いする、小規模会社向けの広報支援サービスです。

PR/広告/ブランディング/マーケティングの違いを知って効果を

・職務内容を明確に定めず、幅広い業務を一人の担当者に任せている
・人事や総務、営業などの社員が広報領域も兼任している
・これから成長していくフレッシュな人材が広報を担当している

今回お伝えする内容は、こんな組織体制の企業や団体の社長さんに、知っておいてほしい、PR/広告/ブランディング/マーケティングの違いです。

この違いを押さえておくことで、広報活動の効果を高めることができます。

社長がPR/広告/ブランディング/マーケティングの違いを押さえておくべき理由

直接的な営業でも、人事や経理などのバックオフィス業務でもない、これらの業務。重なってくる領域が広く、それぞれに関連性があるからこそ、まとめて一人の人に担当してもらったり、近い仕事をしている人に手を広げたりしてもらっているのだと思います。

そこをあえて、区別する必要があるのでしょうか。

PR、広告、ブランディング、マーケティングは、実務レベルに落としていくと、やっていることが似通ってきます。
戦略上は意味合いが異なるとしても、例えば、具体的に実行フェーズでやることを考えていくと、webサイト制作や分析、SNS運用、イベント企画運営、資料作成、ロゴの管理など、同じようなことになってくるのです。

ここで、それぞれの違いを社長が理解しないまま、すべて担当者任せにしてしまうと、どうなるでしょうか。

これらの業務はそれを実行する目的がどういうものなのかを知らなくても、遂行できます。究極的には、どれも企業の価値向上や売上増につなげるための活動ですから、そこさえ外さなければ大きく外れたものができることはありません。
けれども、違いを考えずに何となくやったことは、悪くはないが良くもない、どう評価していいか分からないものにしかならないのです。

WEBサイトも、SNSも、イベントも、資料も、すべての企業に通用する必勝法や絶対に成功する正解のアウトプットというものはありません。
WEBサイトひとつをとってみても、「訪問者が楽しめるような仕掛けがある方がいい」「分かりやすく整然と情報が並んでいる方がいい」「いや、見てくれは関係ない。とにかく検索されるサイトがベストだ」「SNSはやっぱり今の時代は必須でしょう」「広告よりはオウンドメディア がいいんじゃないか」など、最もらしい意見はいくらでも出てきます。
インターネットを検索しても、プロに相談しても、それぞれの立場からそれぞれの正解を言っているので、答えが無数に出てくるのです。

ここで、経験や知識の潤沢でない担当者の立場になってみてください。
よく分からない中で、あっちがいい、こっちがいいと言われたら、どれを信じ、何を目指してサイトを作ったらいいか、分かりますか?
自分の選択に自信を持てるでしょうか。

この人の言うことが信用できそうだし、何よりお客さんがカッコいいと思ってくれそうだと思って、あるデザイナーさんに相談することに。
他社のサイトなども参考に何案も作り、これはと思える、トップページのラフができ上がった。
社長に見せたら「これだと最新情報が目立たない。商品の売りも分からないから、赤字でもっと目立たせた方が問い合わせにつながる」などと言われ、何だかダサくなってしまった。でも、社長が言うなら仕方ない。
渋るデザイナーとモヤモヤする気持ちを抱えながら調整し…

こんなことになる前にまず、社長は担当者に、会社としてWEBサイトが必要だと考えるのはどういう理由なのか、したがって、どういうWEBサイトを作るのが、会社として今は正解なのかを伝えなければいけません。
微妙なカッコよさで、PR情報も目立ちにくいサイトでは、本気でカッコいいサイトにも、問い合わせにつながるように考え抜かれたサイトにも負けます。

PR、広告、ブランディング、マーケティングの違いを押さえ、どれを実現するための手段として施策を講じているのかを担当者と共有することは、実施する広報活動の成果を高める上で、非常に重要なのです。

PR/広告/ブランディング/マーケティングの違い

前置きが長くなりましたが、ここからPR/広告/ブランディング/マーケティングの違いについて、お伝えしていきます。

PR(Public Relation)とは

PRは第三者である、メディアから「この商品は便利ですよ!」とアピールしてもらうというものです。企業が自身で広告するよりも、信用度が高まります。

ですから、PR活動というのは狭義にはメディア向けの売り込み活動です。そのために、ニュースとしてとりあげたいと思われるような情報を発信していきます。

広告とは

広告は様々な媒体を通じて、「便利な商品ですよ」とプッシュしていくことです。興味がありそうな人に向けて、商品の名前や特徴、使うメリットなどを訴えていくことで、買おうという気を起こさせます。

買う気のない人にとっては押し売りになってしまいますが、買う気のある人にとっては商品を認知したり、迷いを一押ししてくれたりする材料にもなり得ます。

マーケティングとは

マーケティングは、顧客にとって「便利な商品です」とアピールしていくことです。
広く伝えていくことに主眼が置かれる広告とは異なり、対象となるのはこれからお客さんになるかもしれない潜在顧客や、既にお客さんとして把握できている顕在顧客です。彼らの行動や心理に合わせて、売り込まなくても買ってもらえるようにしていきます。

ブランディングとは

ブランディングは、「便利な商品だな」と受け手が感じられるようなブランド体験を提供していくものです。
市場でどんどん売れていくことが命題であるマーケティングと比べ、ブランディングでは価値を高めることに主眼を置きます。企業側はブランド哲学を持ち、一貫したブランドメッセージを発信していくことが必要です。

PR/広告/ブランディング/マーケティングで目指すこと

PRで目指すのは「話題」づくり

PRというのはPublic Rrlationの訳語です。言葉の上では、Publicとの関係づくりという意味になります。

かつて、大規模なインフラ事業を展開する時に、周囲の住民などの理解を得る必要があったことから始まったのが、PRと言われています。
反対運動が起これば事業どころではありません。逆に、一般の支持があれば事業の大きな後押しになります。ローカル線が蘇るかもしれないし、ランニングブームのように流行が生まれるかもしれません。人々が事業について理解してくれて、協力してくれる環境を整えることは重要です。

たとえば、Twitterでお茶目な対応がバズって注目された、お昼の情報番組で取り上げられて問い合わせが増えた、地方紙に掲載されるようになって営業に行っても話を聞いてもらえるようになったなどなど、巷で話題になることは、小さな会社にとって、決して小さくない影響があると思います。

いい意味で話題になることもありますが、不祥事や事故・事件などで注目されることもあります。何か問題が起こった時に、どういう対応をしたのかということには、直接的にお客さんになる人以外にも、多くの人々が注目しています。対応を間違えば、その後、事業がやりにくくなってしまいますし、リスクへの対応が模範的で一転、支持を集めるというようなこともあります。

PRは一時的なものではなく、いい時も悪い時も人々との事業との関係を考え、理解を得られるメッセージを発信していかなければならないでしょう。

ブランディングで目指すのは「イメージ」づくり

ブランドというのは、似たような家畜を区別するために押した刻印が始まり、と言われています。
どこでも手に入るものはどこでも手に入るので価値が生まれません。区別のつかない状態では、たまたま、いいお肉の豚だったとしても、高く評価されることはありません。それがもし、品質を保証するマークがついていて、食べてみる前からおいしいお肉として区別できるとしたら、他の豚より高く評価されるでしょう。それがブランドの力です。

ブランドに対するイメージは、良いイメージにせよ、悪いイメージにせよ、ブランドに接するごとに、受け手の頭のなかに蓄積されていきます。

たとえば、Webサイトで見つけた知育おもちゃを買いに行きました。Webサイトを見る限り、子どもの健やかな発達を考えた素敵なおもちゃです。子連れでお店に行ってみました。店員さんは子どもに親切です。やっぱり、子どものことを考えてくれているブランドだなと感じます。買って帰って使ってみると、子どももよく遊びました。気に入りすぎて、ある日、壊してしまいました。問い合わせをしてみると、子どもの安全を心配して、すぐに修理してくれました。本当に、子どものことをちゃんと考えてくれるブランドです。

こんなふうにブランドに対するいいイメージが蓄積されていくと、お客さんのロイヤリティも高まっていきます。

マーケティングで目指すのは「仕掛け」づくり

「仕掛け」あるいは「仕組み」づくりと言ってもいいかもしれません。

マーケティングは、大量生産でたくさんできたものをどうやって効率的にたくさん買ってもらうかから始まりました。でも、時代と共にマーケティングのかたちは変わってきています。

いいモノを作れば売れた時代はいいものを作ることを考えました。いいモノではなくて欲しいモノが売れる時代は、お客さんが何を欲しいかを徹底追及して、お客さんが欲しいモノをつくることを考えました。そして、欲しいモノではなくて求めてるコトが売れる時代は、お客さんが何を求めているかを徹底追及して、お客さんが欲しいコトを実現することを考えました。

最初は同じようなニーズを持っているお客さんが多かったので、同じような売り方でも問題ありませんでしたが、豊かになってお客さんのニーズも多様化してくると、似たようなお客さんごとにセグメンテーションしていく必要がでてきました。さらに、似てはいてもやっぱり人は個々に違うので、技術の発達もあいまって、個人個人で売り方を変えていくようなやり方も出てきました。たとえば、同じ商品なのに、人によって表示される画面が違う、なんていうこともあります。

どうしたらお客さんが買いたくなるかを考え、購入までのプロセスにちょっとずつ仕掛けを用意していけば、「買え!買え!買え!」と迫らずとも、自然と買ってくれるでしょう。

広告で目指すのは「理由」づくり

広告については、説明は不要ですね。買ってもらうために宣伝するというのは、誰でも分かるベーシックなアプローチです。

商売が存在した時からずっと広告はありました。土用の丑の日にうなぎを食べる習慣も元はと言えば、うなぎを売るためのキャンペーンですし、銭湯に描かれている富士山の絵も広告と深い関わりがあります。広告にも長い歴史があるのです。

広告だけでは売れなくなったから、マーケティングやブランディングが必要になったと考えてもいいかもしれません。でも、もちろん、広告が不要になったわけでもないのです。

ここまでの形に揃えていうなら、広告がつくっているのは「買う理由」です。
「今なら安い!」から「効き目が違う」まで。「●●な人はみんなやってる」から、「もっと●●する方法」まで。
買うという決断を後押しするためのプッシュ力はやはり広告です。4つの中ではもっとも「買ってもらってなんぼ」の活動と言えるかもしれません。
ひっそりと営業していては気付いてもらえず、お客さんも増えませんから、買いそうな人がいるところへ出向いていって、「こんな商品あります!」「買ってください!」とアピールし、買う決断をしてもらうことが広告のゴールです。

PR/広告/ブランディング/マーケティングの共通点

ここまで、違いを見てきましたが、共通点もあります。

実行する上での共通点は、
・ターゲットを明確にする必要がある。
・一貫したメッセージを送る必要がある。
という2点です。

誰に向けているのか分からないメッセージは誰も聞いてくれないからです。PR/広告/ブランディング/マーケティングはすべて、企業からのコミュニケーションです。誰かが受け取ってくれなければ始まりません。

また、PR、ブランディング、マーケティングに対しては、長期的な取り組みが必要であるということも共通しています。

広報活動の効果を高めるには

webサイトの記事を作る時、プロモーションイベントを企画する時、パンフレットや名刺のデザインを考える時…
具体的な広報活動で迷わないために、そして、でき上がったものの効果を高めるには、以下の何を目的として実施するのかを共有することが大事です。

・人々の間での話題を作りたいのか
・買う人に良いイメージを持たせたいのか
・お客さんが買いたくなる仕掛けを作りたいのか
・お客さんが買いに走る理由を作りたいのか

そうすれば、これから作るwebサイトや企画するイベントの、この会社の「正解」が見えてきます。
ちなみに、「どれも大事だから全部!」は答えになっていません。今はどれに集中したいのか、優先順位を決めましょう。決まったターゲット、決まったメッセージに集中させていくことで、少しずつ積み重ねで、効果に差が出てくるはずです。

Profile

本多小百合
本多小百合

Honda Sayuri

1983年生まれ 東京都杉並区出身
慶應義塾大学商学部卒業 システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了
建材メーカーで6年間マーケティング・コミュニケーション担当を務め、広報誌編集、webサイト運用、リリース配信、広告出稿、新色開発や商標管理まで幅広く担当。
造園系団体での企画・広報職を経て、2014年にフリーランスのライターとして独立。ベンチャー企業やフリーランサーの取材記事作成、建築家・施主インタビューの記事作成などのほか、Webメディアの企画・編集などにも携わる。
ライター業に加えて、PR会社やブランド会社で必要とされる各種ライティング、取材先や取引先のPR広報にも仕事領域が広がり、2019年より”書ける広報支援パートナー”として「オーダーメイド広報サービス」をスタート。小さな会社や個人で働く人の、会社や商品を知ってもらうにはどうしたらいいか、どうしたら会社や商品を好きになってもらえるかといったコミュニケーション上の課題に対して、受け手・送り手双方の立場で仕事をした経験を生かして、伴走する。