小さな会社のためのオーダーメイド広報支援サービス - 広報の初めの一歩をお手伝いする、小規模会社向けの広報支援サービスです。 -

「片手間の広報」から「資産になる広報」へ。

小さな会社のためのオーダーメイド広報支援サービス

広報の初めの一歩をお手伝いする、小規模会社向けの広報支援サービスです。

顧客事例を取材して記事にするには?

Webサイトや広報誌では、サービスを導入したお客様の事例を紹介する記事がよく出てきます。実際に使っている人からの声は、企業が自らPRするのとはまた違った説得力がありますよね。

広報のなかでも代表的なコンテンツですが、取材して記事をつくった経験がないと、どのように進めていけばよいのか、イメージがわきにくいのではないでしょうか。

顧客事例はどのようにつくっていったらいいのか、企画から制作までの流れをご紹介します。

企画から記事化までの流れ

全体としては以下のような流れになります。

企画段階ではまず、どのような事例を掲載すべきかを検討します。
候補となる事例が決まったら、取材への協力を依頼し、インタビューを実施。内容を元に原稿を作成し、記事が完成したら、掲載をするという流れです。

以降では、それぞれの段階で、具体的に何をすればよいか、細かくみていきます。

事例の選定:いい事例って、どんな事例?

概要
どのような事例を掲載するか検討し、取材先の候補を決定する

顧客事例に掲載する事例は、どのようなケースを選んだらよいのでしょうか。
選定のポイントは、これから導入されるお客様の参考になる事例かどうかです。

たとえば、建築業界のお客様が気になるのは建築業界の導入事例でしょう。中小企業のお客様がまずチェックするのは中小企業の導入事例でしょうし、オプションサービスを検討しているお客様はオプションサービスを利用した事例を知りたいでしょう。検討中のお客様にとって、モデルになるお客様は誰なのか、と考えてみると、よいと思います。

注意点
効果を考えるなら頼みやすさより、見込み客の関心度

営業先などから取材先の候補をあげていくと、頼みやすいか頼みにくいかという視点も出てくると思います。導入していることを知られたくない、取材に対応する時間がないなど、お客様側にも事情があるでしょう。
早く1例目を掲載したいという場合には、頼みやすいお客様にお願いすることもよいですが、事例紹介の効果を考えるのであれば、見込み客にとって関心度が高いお客様の方が、ケースとしては最適です。

取材依頼:どうやって頼めばいい?

概要
候補となっている、お客様に取材への協力を依頼する

取材依頼時には、どのようなことを伝えれば良いでしょうか。
取材の趣旨を伝える際に外してはいけないポイントは3つです。
(1)何を話してほしいか
(2)取材内容を何に使うか
(3)なぜ、そのお客様に頼んだのか

取材を打診する際には、依頼書として、A4数枚の資料に以下の内容をまとめて提示します。

取材依頼で伝えるべき内容
・取材の趣旨
・掲載媒体
・掲載予定日
・依頼理由
・取材候補日
・取材でお聞きする内容
・取材場所
・所要時間
・写真撮影の有無
・(あれば)過去の掲載例

取材先へ謝礼を支払うことは一般的にはありませんが、取材時に撮影した写真を提供したり、手土産を持参したりすることはあります。

注意点
掲載費用についても事前に伝える

依頼先から尋ねられることの多い質問に「お金はかかるんですか?」というものがあります。
導入事例では基本的に製作費や掲載費をいただくことはないと思いますので、あらかじめ伝えておくと、安心して協力してもらえるでしょう。

取材の準備:何か用意しておくことはある?

概要
取材先に当日の案内をし、取材に必要なものを準備する

取材当日に備えて、どのような準備をしておけばよいでしょうか。
まず、限られた取材時間を有効に使うためにも、事前に用意しておいてほしいものがあれば伝えておきましょう。
特に、質問項目は事前にまとめておくことをおすすめします。話す内容を考えておいてもらえるからです。

代表的な質問例
・導入の経緯
・導入の決め手
・実際に導入してみた感想
・今後の方針
・企業情報

これはこのまま記事の構成にもなります。事前に文章構成をイメージできていると、当日の取材でも必要なことを聞き漏らすことがありません

また、最近では、ZOOMなどを使ったオンライン取材になることも多いと思います。途中できれないよう、接続環境もテストしておきましょう。

取材:うまく話を聞き出すには?

概要
お客様へインタビューをする

取材当日の進め方は以下の通りです。

取材の趣旨の確認→インタビュー→掲載までの流れの説明

取材が始まったら、確認のため、どこに載せる導入事例で、今日はどんなことを聞きたいのかを軽くレビューしてから質問を始めます。
取材に関して、会社に話は通っていても、インタビューを受けるご本人が詳しい内容を聞いていないということはよくありますし、話をする人が取材をOKした本人であったとしても、時間が経ってどういった内容だったかを記憶していないこともあるからです。
話す前に改めて意識してもらうことで、趣旨にあった回答をしてもらうことができます。

インタビューのコツ
ありがちな失敗は、街頭で行われているアンケート調査のように、質問用紙を見て回答をメモしていくように聞いてしまうことです。もちろん、それでも答えは聞けますが、話をしている方はテストをされているようで、会話が弾みません。相手の話に興味を持って、聞くことが大切です。

・話しやすい雰囲気をつくるには「聞いていますよ」という姿勢を見せる
例:目を見て聞く、相槌を打つ、ちょっとした感想を伝えるなど

・緊張感を解くには簡単なやり取りから始める
例:ちょっとした雑談から始める、一言で答えられそうな質問から始めるなど

録音や録画をする場合、上手く話さなければと構えてしまう方もあります。記録にしか使わないこと、内容は後で確認いただけることをあらかじめ、お話しておくとよいと思います。

写真を撮影する場合には、お話している風景が必要であれば取材中に同時進行で、目線ありの写真が必要であれば、取材前または取材後に撮影をします。
執務室で撮影する場合は、壁の掲示物やパソコンの画面などに、映り込んでは困る個人情報や企業情報がないかも確認しておきましょう。

インタビューと写真撮影が終わったら、終了です。
できあがった記事の確認依頼と掲載予定日を伝えます。

原稿作成:どうやって文章にまとめる?

概要
取材内容を元に記事を作成し、取材先に確認する

インタビューした内容はどのように文章にまとめていけばよいのでしょうか。

聞いた内容をすべて載せることはできません。読みやすい文章にするためには、どのコメントを残して、どの話題を削るかを検討する必要があります。
残すべき内容は、導入事例を読む見込み客が気になるポイントです。

書き始める前に、全体の構成をイメージしておくと、まとまりやすいと思います。一般的に、読んでいて分かりやすいのは時系列の構成です。
まず、「導入前→検討時→導入時→導入後→今後」の順に、見出しをつくってしまいましょう。そこから少しずつ書いていくと、全体の収拾がつきやすくなります。

文章が完成したら、全体を読み直して誤字脱字などをチェックします。必要に応じて、社内チェックも経た上で、取材先に内容を確認してもらいます。
修正や追加の依頼があれば対応し、記事の完成です。

記事掲載:載せたら終わり、じゃないの?

概要
記事を掲載する

できあがった原稿が掲載されたら、いま一度内容を確認します。意外と、このタイミングで誤字を発見したりすることもあるものです。

また、取材に協力いただいたお客様へのご報告は忘れずにしましょう。
WebサイトであればURLをご案内し、広報誌であれば見本誌を送付します。
取材を受けたお客様の方で記事を紹介するなど、PRしてくれるケースもあります。

まとめ:取材記事作成で大事なポイント

ここまで企画から記事掲載までに何をするかをまとめてきましたが、イメージはわいたでしょうか。
企画、取材、文章化、どの段階でも大事なことは、事例を読む人の視点に立つことです。見込み客が興味を持つような事例を選び、導入検討時に知りたいと思うことを聞き、それを分かりやすくまとめます。
「取材」というとハードルが高くなってしまうようなら、「迷っている人のためにリアルなユーザーの声を代わりに聞いてきて、まとめてみたよ!」という感覚で取り組んでみるのもいいかもしれないですね。

Profile

本多小百合
本多小百合

Honda Sayuri

1983年生まれ 東京都杉並区出身
慶應義塾大学商学部卒業 システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了
建材メーカーで6年間マーケティング・コミュニケーション担当を務め、広報誌編集、webサイト運用、リリース配信、広告出稿、新色開発や商標管理まで幅広く担当。
造園系団体での企画・広報職を経て、2014年にフリーランスのライターとして独立。ベンチャー企業やフリーランサーの取材記事作成、建築家・施主インタビューの記事作成などのほか、Webメディアの企画・編集などにも携わる。
ライター業に加えて、PR会社やブランド会社で必要とされる各種ライティング、取材先や取引先のPR広報にも仕事領域が広がり、2019年より”書ける広報支援パートナー”として「オーダーメイド広報サービス」をスタート。小さな会社や個人で働く人の、会社や商品を知ってもらうにはどうしたらいいか、どうしたら会社や商品を好きになってもらえるかといったコミュニケーション上の課題に対して、受け手・送り手双方の立場で仕事をした経験を生かして、伴走する。